- 外壁塗装をしようと思っているのだけど……
- 塗料の種類が多くて、何を選べばいいのか分からない
- 業者の言いなりで決めたくないから、塗料について分かりやすく教えて!
外壁塗装をする際、塗料の種類が多いので何がいいのか迷います。インターネットの情報や業者のおすすめ塗料は、塗られる側にとって本当に良い塗料なのか分かりません。
希望の塗料を業者へ提案すれば、塗料に理解がある方と思われダマされたり、足元を見られないで済む。
リフォーム営業5年
施工管理2年
この記事を書いた著者
川東 治郎 (Kawahigashi Jiro)
プロフィール (クリックすると詳しく見れます)
- 外壁塗装の一括見積もりサービスを5サイトを利用し、13社紹介してもらいました。
- リフォーム営業を5年、施工管理を2年を経験
- 安心して外壁塗装ができるように、もらった見積書の内容を公開しています!見積書を公開した記事
本記事で塗料の種類と価格、性能を画像付きで分かりやすく解説します。
- おすすめの塗料は「シリコン塗料」
- 各塗料の特性とメリット・デメリット
- 「水性塗料」と「油性塗料」の違い
- 「1液型」と「2液型」の違い
私のおすすめ塗料は下記になります。
- 【外壁の塗料】シリコン塗料で水性の2液型
- 【屋根の塗料】シリコン塗料で油性の2液型
何いってんの?
本記事で分かりやすく、なるべく簡単に画像多めで説明します。
外壁塗装で使用する塗料種類
「この中から決めるの……?」や「もうめんどくさい」とわたしも思います。
図の中には、アクリル塗料やウレタン塗料も記述してますが、現在ほとんど使用されてないです。
業者がコストを下げるために、安価で低性能の塗料を提案してくる場合があります。
知っていることで悪徳な業者の対策になります。
水性と油性、1型液と2型液は後述で詳細を記述してますが、先に知りたい方はクリックすると下記に飛びます。
「水性」と「油性」の違い
「1液型」と「2液型」の違い
塗料の種類
- アクリル塗料
- ウレタン塗料
- シリコン塗料
- フッ素塗料
- ラジカル塗料
- 無機塗料
上記が一般的に普及している塗料です。
各塗料の詳細は下記で後述します。
同じ名前の塗料でも値段が違う4つの理由
複数の業者に見積もりをもらった時に、同じシリコン塗料なのに価格に差があります。
価格差の理由は主に4つの違いがあるからです。
- 樹脂の含有量の差
-
樹脂の含有量が多いほど価格は高くなります。
一般的なシリコン塗料は、耐久年数が10年程で、シリコン樹脂の含有量が3〜5%です。
含有量が8%以上の高級シリコン塗料は、耐久年数が15〜20年になります。
- 「水性塗料」と「油性塗料」の違い
-
コスト面は「水性塗料」が安く、「油性塗料」が高いです。
性能は「油性塗料」のほうが耐久性が勝っています。
- 「1液型」と「2液型」の違い
-
コスト面は「1液型」が安く、「2液型」が高いです。
性能は「2液型」のほうが耐久性や耐候性、密着性が勝っています。
耐候性とは、紫外線や雨など屋外での耐久性のことです。
- 塗れる面積の違い
-
1缶の値段が同じでも、塗れる面積がメーカーにより異なります。
同じ家でも塗るのに、10缶必要な塗料と、15缶必要な塗料があります。
1缶の値段が同じでも、必要な塗料が多いと値段が上がります。
現在使われている塗料の比較
シリコン塗料 | ラジカル塗料 | フッ素塗料 | 無機塗料 | ウレタン塗料 | アクリル塗料 | |
---|---|---|---|---|---|---|
おすすめ | ||||||
耐久年数 | 8~12年 | 10~14年 | 15~20年 | 15~20年 | 6~8年 | 5~7年 |
仕様 | 多くで使用されている定番の塗料 | 発売が2012年と新しい塗料 | 高価なため一般住宅にはあまり使われていない | 耐久年数が高いため、塗り替えの回数が減ります | 柔軟性があり、密着度が高い塗料 | 屋内での使用が向いている塗料 |
メリット | ・耐久性が高い ・汚れに強い | ・チョーキングが起きにくい ・耐久性が高い | ・耐久性がかなり高い ・雨水で汚れを落とす | ・耐久性がかなり高い ・雨水で汚れを落とす | ・種類が豊富な塗料 | ・価格の安い ・塗料の種類が豊富 |
デメリット | ・ひび割れしやすい ・種類が多すぎる | ・濃い色にできない ・発売から日が浅い | ・価格が高い ・塗膜が固くヒビが入りやすい | ・価格が高い ・塗膜が固くヒビが入りやすい | ・劣化が早い ・汚れやすい | ・劣化が早い ・塗膜が固くヒビが入りやすい |
価格目安 | 1,600~3,000円/m² | 2,000~3,500円/m² | 3,000~4,500円/m² | 4,000~5,500円/m² | 1,400~2,200円/m² | 1,300円~2,000円/㎡ |
おすすめは、最近よく使われているシリコン塗料です。
値段と耐久性のバランスがよく、外壁塗装の定番塗料になっています。
ラジカル塗装は、耐久年数が15年ぐらいはもつと言われています。
しかし、発売されたのが2012年のため、塗って15年経つ家がまだないので詳細が分かりません。
値段はシリコン塗料と大きく変わらないのに、耐久年数は高いです。
新しいもの好きな方にはおすすめです。
あなたに合った塗料を選んでください。
シリコン塗料
平米単価 1,600〜3,000円
耐久年数 8~12年
価格と耐久性のバランスを重視したい方や、長い目でみてコストを落としたい方に魅力的で、人気が高いです。
親水性(低汚染性、耐汚染性)があり、雨水で汚れを落とす性質があります。
親水性とは、水が壁に密着しやすい性質で、壁と汚れの間に水が入り込み、汚れを落とします。
同じシリコン塗料でも価格だけでなく、耐久性や性能に違いがあります。
プロの塗装業者と相談しながら自分の家に合った塗料を選ぶのが大切です。
ラジカル塗料
平米単価 2,000~3,500円
耐久年数 10~14年
ラジカル塗料は2012年から発売された新しい塗料で、これから主流になっていく可能性があります。
ラジカル塗料は樹脂ではなく顔料に違いがあります。
顔料に劣化を抑える機能を持っています。
「ラジカル」とは、塗料に含まれている顔料が酸素・水・紫外線などが原因で発生する劣化因子のことです。
「ラジカル」の発生を制御する塗料のことを、「ラジカル塗料」や「ラジカル制御型塗料」と呼びます。
チョーキングとは壁面に触れると白い粉が付く現象のことです。
劣化状況について詳しくは下記の記事がおすすめ
外壁点検チェックシート|劣化と塗装の時期がわかる
2012年に発売され耐久年数が最長15年前後と言われています。
しかし、実際の家で実証されていないので分かりません。
フッ素塗料
平米単価 2,500~2,800円
耐久年数 15~20年
耐久年数が高く、塗り替えの回数を減らしたい方には向いています。
家を丸ごとフッ素塗料で塗ると予算をオーバーしてしまう方は、屋根や付帯部の劣化しやすい場所に塗装するのがおすすめ。
付帯部とは外壁・屋根以外の雨どいや窓枠のサッシ等のことです。
価格は一般的なシリコン塗料のおよそ2倍〜3倍と価格が高くです.
しかし耐久性が15〜20年と高耐久性な塗料のため、長い目で見れば塗替え回数が減りコストを下げることもあります。
親水性とは水が外壁に密着しやすい性質のことです。外壁と汚れの間に水が入り込み、汚れを落とすします。
無機塗料
平米単価 4,000~5,500円
耐久年数 15~20年
家の立地や環境により25年以上持つともいわれてます。
塗り替えの回数が減るので、メンテナンスに手間をかけたくない方におすすめ。
無機塗料とは塗料の原料に、無機物(ガラスや石など)を加えた塗料です。
樹脂がほとんど含まれていないのも特徴です。
一般的な塗料の中では価格が一番高いです。
ウレタン塗料
平米単価 1,400~2,200円
耐久年数 6~8年
とりあえずのコスト削減したい方に向けの塗料です。
耐久性の低さからおすすめしません。
アクリル塗料
平米単価 1,300円~2,000円
耐久年数 5~7年
耐久性が低く、安い塗料なので、家のイメージを短期間で変えていきたい方に向いてます。
おすすめできません。
「水性」と「油性」の違いと、おすすめの塗り場所
塗料の原料には固形物(粉末)である「樹脂」「顔料」「添加剤」があります。
これらを液体である「希釈剤(薄め液)」で溶かし、塗りやすい状態にします。
最近まで耐久性は油性塗料のほうが高く、かなり差がありました。
最近では、水性塗料の質が向上し、油性塗料に負けないぐらいの品質になってきています。
【おすすめ】外壁は「水性料」、屋根は「油性」
私のおすすめ
・外壁は「水性塗料」
・屋根は「油性塗料」
- 外壁に「水性」をおすすめな理由
-
工事中は臭いが少なく、値段も安い。
耐久性は油性よりも少し劣りますが、外壁は屋根よりも劣化しにくいため「水性」が向いています。
- 屋根に「油性」がおすすめな理由
-
屋根は外壁ほど工事中の臭いが外壁ほど気になりません。
また屋根は、紫外線や雨などが直接あたり、過酷な環境におかれています。
そのため、より耐久性がある「油性」をおすすめします。
水性塗料のメリット・デメリット
大気汚染の一因である「VOC(揮発性有機化合物)」の排出が少ないので、環境に優しいです。
また、希釈材が水のため、引火性が低いです。
水分は一定の温度で、高すぎない湿度でないとしっかり乾燥しません。
乾燥しないと2度塗り、3度塗りができないので工期が伸びてしまう可能性が高いです。
油性塗料のメリット・デメリット
希釈材として使用されるシンナーは揮発性が高いので、気温が低くても塗料が乾燥する性質があります。
しかしシンナーには、臭いがきつく、引火性が高い側面もあります。
「1液型」と「2液型」の違い
「1液型」は缶を開け、希釈材(水、シンナー)を入れて使えるタイプ
「2液型」は主剤と硬化剤(樹脂)が分かれており、2つを混ぜてから希釈材(水、シンナー)を入れて使うタイプ
2液型は混ぜると、その日の内に使用しないと固まってしまうため、作り置きができません。
しかも混ぜ合わせるときは混合比率に非常に気を遣います。
大変なのは業者であって、塗装してもらう側は2液型のほうがメリットが大きいです。
【おすすめ】すべての場所に「2液型」
2液型は、1液型に比べて価格は1割ほど高いです。
しかし、耐用年数は約3年ほど長いです。
そのため「2液型」をおすすめします。
いい加減な業者は、せっかく2液型を選んでも混合比率を気にせず、適当に混ぜ合わせる可能性があります。
混合比率とは、主剤と硬化剤の混ぜ合わせる比率のことです。
そのため業者選びが大切です。
誠実な業者選びたい方におすすめ記事は以下になります。
1液型のメリット・デメリット
金属に塗装できないので、塗れる箇所が限られます。
サイディングやモルタルなどの外壁材に塗れるので、一般的な家では問題ないです。
2液型のメリット・デメリット
業者や職人は1液型のほうが塗りやすいです。
注文者である、あなたのことを考えている業者であれば、2液型を提案してくれます。
まとめ|おすすめはシリコン塗料
最後に本記事の内容をまとめます。
- おすすめの塗料は「シリコン塗料」
- 塗料別の特徴とメリット・デメリット
- 「水性塗料」と「油性塗料」の違い
- 「1液型」と「2液型」の違い
最後にもう一度、塗料の全体像を見てみましょう。
私がおすすめする塗料は
外壁はシリコン塗料で水性の2液型
屋根はシリコン塗料で油性の2液型
付帯部(外壁、屋根以外の雨どいや窓枠サッシなど)もシリコン塗料で油性の2液型が良いと思います。
ラジカル塗料もおすすめしたいのですが、まだ発売から日が浅いので、本当の劣化状況がわかりません。
家族や友人におすすめできるのはコスト面と耐久面のバランスを考え、シリコン塗料です。
業者の言いなりにならずに、適切な塗料を理解して、いい外壁塗装をしましょう。
しかし、外壁塗装をどこで頼めばいいのか分からない方は多いです。
様々な見積もりサイトがあるので選ぶのも大変ですが、当サイトでは39社を数値化し、ランキング形式でまとめています。あなたに合った良い業者を見つけることができ、失敗しない外壁塗装ができます。
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